きのう(9月29日)はプレスと政治権力の関係において記念すべき日となった。
外務省の記者会見が完全にオープンとなったのである。これは国の機関としては初めての快挙でもある。次の文書を発表して、厳しい決断を下した岡田克也外務大臣に改めて敬意を表したい。
「国民の知る権利と行政の説明責任の双方を担保するため、9月18日付で『大臣会見に関する基本的な方針』を岡田大臣が発表し、すべてのメディアに記者会見を開放することとしました。
しかし、外務省記者会(霞クラブ)より留保の申入れがあったため、その実施を見合わせていましたが、本日に至るまで、霞クラブから記者会見の開放について明確な見解は示されませんでした。
そこで改めて、別添の『基本的な方針』に基づき、本日より大臣・副大臣等の記者会見をすべてのメディアに開放することとしましたので、お知らせします」
記念すべきその会見には、事前に登録を済ませたフリーランス、雑誌、ネット、海外メディアの記者たちが新たに30人ほど参加した。もちろん筆者もその中にいた。
新しく参加した記者たちの誰もが、質問の前に岡田外相に敬意と感謝の意を示していたのが印象的だった。
とりわけ、海外メディアを代表して参加したFCCJ(日本外国特派員協会)の副会長は、次のように語って岡田外相の勇気に謝意を示した。
「きょう、私は質問をしにきたのではありません。FCCJ、海外メディア、海外のフリーランスのすべてを代表して、岡田大臣の記者会見開放の決断に感謝を申し上げにきました。ありがとうございました」
事前にFCCJは、岡田外相の決断を助けるために、歴史的な記者会見への参加をメンバーたちに呼びかけていたのだ。フリーランスも同様だった。神保哲生氏、藤本順一氏などが率先して会場に足を運び、仲間たちに岡田会見への参加を呼びかけた。