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消費者がお金を使わなくなると景気が悪くなり、賃金が上がらずに、さらに節約を強いられるという循環が生まれる。こうした構造の中では、「節約=賢さ」という考え方には限界があると筆者は説く。モノや情報があふれる時代の、賢い消費行動とは?※本稿は、ニッセイ基礎研究所上席研究員の久我尚子『選ばない消費 AI時代の暮らしと価値観』(集英社)の一部を抜粋・編集したものです。
コスパのいい買い物が
本当に賢い消費なのか?
皆さんは賢い消費というと、どんなお金の使い方を思い浮かべるでしょうか。一般的には「お金を思ったより使わずに済んだ」、または「払った額の割に得をした」というようなコストパフォーマンスが判断基準とされています。
たとえば日々の食品の買い物でいえば、にんじんならにんじん、豚肉なら豚肉といった同じ品目で、安売りしているスーパーを見つけて、少しでも安く買えたら、賢い消費ができたことになります。
逆のケースなら、あそこのスーパーならもっと安く買えたのに、と後悔することもあるでしょう。こうしたとき、賢くない消費をしたと感じるのではないでしょうか。
多くのファイナンシャルプランナーも、家計の無駄な出費を見直すようアドバイスをします。確かに、1000円で買えるものに1万円を払うような消費は合理的とはいえません。一方で、節約一辺倒の消費が本当に「賢い」といえるかどうかには、再考の余地があります。
なぜなら「お金は使わないと増えない」という側面もあるからです。「使ったら減るのでは?」とお思いになるかもしれませんが、私たちが身を置いている経済社会を考えてみましょう。







