オメガ・ミッションヒルズW杯の取材で中国に行ってきた。

 オリンピック年に重ならないよう、隔年で開催されているゴルフの国別世界大会である。

 今回で56回目を数える伝統的な大会は、中国本土では4回目の開催となる。

 一回目を除いて、そのすべてに参加している筆者としては、この国の変貌ぶりに毎回驚かされている。

 それは今回も例外ではなかった。その思いは、大会を主催しているスイスの時計メーカーであるオメガの幹部も同様だったようだ。

バブル期日本をも凌ぐ
ゴルフ場建設ラッシュ

「回を重ねるごとにずいぶんとよくなってきた。とりわけ、中国人ギャラリーのマナーの向上が著しい。中国国内では、スポーツとしてのゴルフが定着し始めているのだろう。前回大会までは中国全土で200弱だったゴルフコースも、現在では600に迫る勢いだという。近い将来、それが1000にも、2000にもなることも『夢』ではないだろう」

 自身もゴルフ好きのステファン・ウルクハート本社社長は、最近お気に入りだというオレンジ色の靴紐を軽く揺らしながら、目を輝かせてこう語った。

 実際、中国のゴルフ熱は凄まじい。バブル期の日本を凌ぐような勢いでゴルフ場が建設されている。北京空港から大会の開かれている海南島に飛び立つ飛行機の窓からは、2年前までは存在しなかったゴルフコースがいくつも見えた。

「前回までは深センだったが、今年からは海南島に会場を移した。現時点で20コースを持つ、世界最大のゴルフリゾートだ。そこに世界中からトッププロたちが集まってくる。もっと盛り上がってもいいはずだ」