きのう(8月4日)、一年半ぶりに日本外国特派員協会(FCCJ)で講演を行った。テーマは「総選挙の行方」。
http://www.fccj.or.jp/node/4750
ところが、会場では、おそらく誕生するであろう「鳩山政権の行方」の方に関心が集中した。
予備の椅子が用意されるほど多くの聴衆が集まったが、質疑応答でも「鳩山政権」に集中していた。雰囲気としては、すでに「政権交代」が済んでいるかのようだった。
「鳩山政権」誕生への海外からの関心はきわめて高い。「週刊文春」企画の300選挙区ルポのため、東京滞在はわずかな時間となったが、筆者がFCCJに来て何より驚いたことはそのことである。
講演後の海外ジャーナリストたちの質問は、一人を除いて「鳩山政権」についてであった。ちなみに紹介すると、例外の質問は「自民党の大物で誰が落選するのか」というものであった。
海外の記者たちに混ざって、各国大使館の職員の顔が多く見えたのも印象に残った。講演後、筆者と名刺交換をした大使館員をざっと挙げてみよう。
アイルランド、米国、オーストラリア、オランダ、韓国、シンガポール、チリ、ベルギー。
さらに驚いたのは、夜、パソコンでメールをチェックすると、海外メディアからの取材依頼が数件、早速入っていたことだ。
かつてFCCJに毎週のように通い、講演をしたこともあるが、こうした反応は初めてのことである。
安倍、福田という二人の首相の政権投げ出しの後遺症は、国内よりも、むしろ海外で大きい。無責任なリーダーの振る舞いは、日本という国家の信用を失墜させ、国益を毀損させるに十分であった。
具体的にはサミットが終わるたびにリーダーが代わる国をいったいどこの誰が信じるというのか。