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スマートフォンの理想と現実

ソニーXperia Z躍進からウィルコム消滅まで
スマートフォンをめぐる2013年の出来事を振り返る

クロサカタツヤ [株式会社 企/株式会社TNC 代表]
【第57回】 2013年12月26日
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10月:ソフトバンク割賦問題

【概要】
 ソフトバンクが、端末を割賦販売で購入したユーザーが正常に支払っているにもかかわらず、「未払い」として約6万件もの信用情報を誤登録したと公表。信用情報の誤登録という日常生活に深刻な影響がある事態にも係わらず、発覚から半年以上も監督官庁に届け出ず、ユーザーにも告知しないなど、ソフトバンクの対応が強く批判された。

スマホを契約したらクレジットカード審査に落ちた!? ソフトバンクの信用情報誤登録が社会に投じた波紋 - ダイヤモンド・オンライン

ソフトバンクが分割払い6万件超を誤って滞納扱い、クレジット審査等に影響。半年公表せず - Engadget日本版

【解説】
 端的に言えば「お粗末」の一言だった。同社の釈明の中途半端さや、早々に幕引きをはかろうとする姿勢など、一消費者としていまだに納得できない部分は多い。

 これに限らず、通信事業者は社会的責任を担っている自覚が足りないのではないか、と思わせる事案が今年は少なくなかった。単に通信障害というだけでなく、悪徳に近いとさえいえる販売方法や、闇雲に突き進むMNPインセンティブ競争など、本件も含めて「どうしちゃったの?」と思わせることが少なくなかった。

 過去10年近く成長を続けてきたことのひずみなのか、過当競争の果てに倫理観を失いつつあるのか、あるいはモバイルの社会インフラとしての位置づけが予想以上に急速に高まったがゆえ、その自覚を身につけるヒマがなかったのか――理由はいろいろあろうけれど、このままでは大きな事故が引き起こされかねない、そんな印象が拭えなかった。

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クロサカタツヤ
[株式会社 企(くわだて)代表取締役、慶應義塾大学特任准教授]

1975年生まれ。慶應義塾大学・大学院(政策・メディア研究科)修了後、三菱総合研究所にて情報通信分野のコンサルティングや国内外の政策調査等に従事。その後2007年に独立し、現在は株式会社企(くわだて)代表として、通信・メディア産業の経営戦略立案や資本政策のアドバイザー業務を行う。16年より慶應大学大学院政策・メディア研究科特任准教授。


スマートフォンの理想と現実

2011年はスマートフォンの普及が本格化する年になる…。業界関係者の誰しもがそう予感していた矢先に発生した東日本大震災は、社会におけるケータイの位置づけを大きく変えた。しかし、スマートフォンの生産に影響が及びつつも、通信事業者各社はその普及を引き続き目指し、消費者もまたそれに呼応している。震災を受けて日本社会自体が変わらなければならない時に、スマホを含むケータイはどんな役割を果たしうるのか。ユーザー意識、端末開発、インフラ動向、ビジネスモデル等、様々な観点からその可能性と課題に迫る。

「スマートフォンの理想と現実」

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