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スマートフォンの理想と現実

ソニーXperia Z躍進からウィルコム消滅まで
スマートフォンをめぐる2013年の出来事を振り返る

クロサカタツヤ [株式会社 企/株式会社TNC 代表]
【第57回】 2013年12月26日
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5月:ドコモのツートップで明暗が分かれる

【概要】
 5月に行った夏モデル発表にあたって、NTTドコモは「ツートップ」戦略を実施。全11機種のスマートフォン・タブレット新機種の中からソニー「Xperia A SO-04E」、サムスン「Galaxy S4 SC-04E」の2機種を「ドコモのツートップ」としてプロモーションなどでのアピールに加え、店頭でも販売支援金を増額した。この結果、とくにXperia Aは大きく販売数を伸ばした。

[2013年第20週]ドコモの夏モデルはGALAXY S4とXperia Aが「ツートップ」、イーモバも新製品発表 - ワイヤレスワイヤーニュース

「ツートップ」に入れればいいのか? 窮地の国内メーカーがスマホ市場で生き残る道 - ダイヤモンド・オンライン

【解説】
 ツートップ戦略そのものは、買い換え需要こそ喚起したものの、NTTドコモの純増やMNPにおける他社からの移行を促すことには、つながらなかった。この結果が販売現場の士気低迷や、その回復に向けたその後のiPhone導入の呼び水となったと考えることもできるだろう。

 一方で、ツートップに選ばれたXperia AとGalaxy S4の間で、出荷台数にダブルスコアの差がついてしまったことも、興味深い。後者が端末として魅力がないとか、反韓のあおりを受けたというだけでなく、通信事業者の「ゴリ押し」が端末販売に結びつかなくなったことを、示したともいえるからだ。

 そう考えると、いま日本で販売が好調な端末はiPhoneだけであり、逆にiPhone以外はどんなに販売側が力を入れても売れない、という状況なのかもしれない。本当にそうなのか、年明けから春先までの「春商戦」が、日本市場で最も販売が活発化する時期でもあり、そこでの販売・契約の結果が、すべて明らかにするだろう。

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クロサカタツヤ
[株式会社 企(くわだて)代表取締役、慶應義塾大学特任准教授]

1975年生まれ。慶應義塾大学・大学院(政策・メディア研究科)修了後、三菱総合研究所にて情報通信分野のコンサルティングや国内外の政策調査等に従事。その後2007年に独立し、現在は株式会社企(くわだて)代表として、通信・メディア産業の経営戦略立案や資本政策のアドバイザー業務を行う。16年より慶應大学大学院政策・メディア研究科特任准教授。


スマートフォンの理想と現実

2011年はスマートフォンの普及が本格化する年になる…。業界関係者の誰しもがそう予感していた矢先に発生した東日本大震災は、社会におけるケータイの位置づけを大きく変えた。しかし、スマートフォンの生産に影響が及びつつも、通信事業者各社はその普及を引き続き目指し、消費者もまたそれに呼応している。震災を受けて日本社会自体が変わらなければならない時に、スマホを含むケータイはどんな役割を果たしうるのか。ユーザー意識、端末開発、インフラ動向、ビジネスモデル等、様々な観点からその可能性と課題に迫る。

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