また、“売上給”を取り入れる際に重視することは、売上が低い人のことも必ず尊重することだ。例えば、できるだけ自分の好きな仕事に力を注ぎたいという社員がいる。こういう社員は他の社員よりも売上が下がりがちである。なので、基本給は低めになるかもしれないが、その分社員のやりたいことを優先されるという姿勢を応援する。一方、売上=給与を増やしたい社員がいたら、相談に乗る。

 このような完全能力給ができるのは、若い社員だけで構成され、管理職が役員以外にほぼ存在しないことが大きい。が、“○割”のレートを調整すればどのような業種・業種でも使い回せそうなので、導入をおすすめする。

「ニンジン」「ムチ」だけでは
今の若手社員は動かない

 さて、最後にこれからの上司の心得について書いておきたい。今後は、高給や将来の出世などの「(馬にとっての)ニンジン」や、声を荒げたりといった「ムチ」では部下は動かなくなる。家族もいないし、社会システムが崩壊したあとに成人した若手社員ならなおさらだ。

 現場で人を動かして、突出した成果を出そうと思えば、各社員のやりがい、そしてそれ以上に彼らへの承認をどう維持するかを深く考えることだ。未婚の人が増えれば、職場が疑似家族のような包摂性を発揮する必要もあるだろう。「そこまでしなくてはならないのか?」「どうしてオレ(上司)がそこまで面倒をみてやらなければならないのか?」とお思いかもしれない。でも、すべての上司は、現場の部下が働くことで食わせてもらっているということを忘れてはならない。

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