会社に税務署職員が「質問検査」に来たら、副業していたことも会社にばれてしまう。多くの会社では従業員に対して「忠実義務」や「専心義務」を課している。そのため、就業規則違反となり下手をすれば「クビ」。小さく節税しようとして、職場をなくして大きく収入を減らしてしまうことにもなりかねない。

損益通算が認められやすい「不動産所得」

 所得税法では所得を、不動産所得、事業所得、山林所得、譲渡所得、給与所得、退職所得、利子所得、配当所得、一時所得、雑所得の10種類に分けている。このうち「フジサンジョウ」に生じた赤字(損失)は他の所得から引くことができる。つまり、損益通算の対象となる。フジサンジョウとは、不動産所得、事業所得、山林所得、譲渡所得のことだ。

 たとえば、給与所得が1000万円、不動産所得の赤字が200万円だとすると、この場合の総所得金額は800万円となる。しかし、同じ給与所得が1000万円だとしても雑所得の赤字が200万円の場合には、総所得金額は1000万円のままだ。

 なぜなら、配当・給与・一時・雑所得は赤字になっても、所得税法上その赤字を他の所得から引けないからだ。ちなみに配当所得と退職所得は赤字なることがない。

 前述した、節税コンサルタントの節税手法は所得税法上、意味がない。なぜなら、売上がほとんどあがらない物品販売業やほとんど実態のないライターの仕事などの所得は、「雑所得」と認定されるので、給与所得と損益通算できないからだ。

 実は、所得の損失で損益通算が認められやすいのが「不動産所得」である。不動産所得は、賃貸マンション1室を所有しているだけでも発生するからである。

 もちろん、不動産所得においてもその損失が損益通算の対象とならないものがある。例えば、別荘など生活に通常必要でない不動産を賃貸に出している場合や土地を取得するための利子は損益通算の対象とならない。