業績不振と環境悪化で
ついに売却を決断
この数日、メディアを賑わせていたソニーのパソコン事業売却報道。同社は2月6日、日本産業パートナーズが設立する新会社に、VAIOブランドで展開しているパソコン事業を譲渡すると正式発表した。
背景にあるのは、同社のパソコン事業の不振と、パソコンビジネスそのものの環境悪化だ。
同社のパソコン事業は2013年3月期は営業赤字、今期も赤字の見通しだ。販売台数は2011年3月期末で870万台をピークに右肩下がりを続け、2014年3月期末には580万台まで落ち込む見込みだ。世界シェアも9位のわずか1.9%にとどまる。
世界市場ではパソコンの需要台数は2011年に3億6400万台をピークに、2013年は3億1455万台と前年比10%減。一方でスマートフォンは2012年の7億6900万台から2013年は11億7600万台へ、前年比53%の増加。タブレット端末も2012年の1億7100万台から13年は2億8100万台へと64%の増加だった。個人向けのパソコン需要は、スマートフォントとタブレット端末に食われており、今後もその傾向が加速することは確実だ(数字はいずれもIDC)。