潜入調査という主旨だったので、僕は1人で参加している男性に話しかけることにした。僕が話しかけた26歳の男性は、今風の若者という風情だったが、この日のために数時間かけて千葉の房総半島から渋谷に出てきたという。後にわかることになるのだが、このような婚活パーティーや街コンの参加者は、郊外の人が多い。郊外というのは出会いを地元に求めづらい環境なのだろう。

 結婚相談所主催のパーティーということで、男性はマジメな人が多く、男性から話しかけないとなかなか女性と交流することはできないが、何もできずに呆然と立っている男性も多く見受けられた。自分が純粋にこのパーティーの参加者で、誰にも声をかけられなければ、さぞかし落ち込むだろうな、と思った。

年会費40万円を払ってでも
お金持ちの男性と知り合いたい

 一方、同時に潜入した女性社員は、24歳と若く容姿もそれなりだったので、多くの男性に声をかけられている。女性の場合は、基本的に男性からのアプローチを待つ体制になりやすいため、男性からたくさん声をかけてもらえる人と、そうでない人とが露骨に差が付いてくる。承認不安に陥りやすい状況だ。しかし彼女も潜入調査でやってきたので、男性と話すのではなく、同性に本音を聞くことにしたようだ。

 女性の本音はどこで聞けるか。こういう会場の場合、女子トイレである。女性しか入れない場所で、常連客と思われる女性がいろいろ話しているのを聞いたらしい。「今回は不作だわ」「あんまりいい男いないわね」などと女性の本音が聞かれた。20代後半から30代の年頃の女性は結婚を前提としたお付き合いを求めているようだが、彼女は若い女性がなぜこのような場所に参加するのかが気になったようで、婚活パーティーは常連という22歳の女性に話しかけてみたらしい。

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――どうしてあなたみたいな若くてカワイイ女性がこういう場所に参加するの?

 ぶっちゃけ、お金持ちの男性と知り合いたいの。普段、職場や友人の紹介で男性と知り合う機会が多いけど、私の周りにはお金持ちがいないから。

――年会費40万円って高くない?

 確かに高いですけど、お金持ちの男性とつきあえて結婚できる可能性があると思えば安いものですよ。

――でも、お金持ちばかりが参加しているとは限らないよ。

 こういう場所に私のような若い女性が行くと、ちやほやしてもらえるんだよね。だから楽しいってのもあるかな。

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