多作家ロザベス・モス・カンターの著書は幅広い分野を網羅しているため、彼女を特定の分野の専門家として分類することは難しいが、企業変革とイノベーションについての研究で最もよく知られている。
彼女自身は自分を思想のリーダーでありアイデアの開発者であると考えている。
カンターの成功は、綿密な調査と実地経験、そして説明に役立つ多くの事例を駆使した明快かつ具体的な文章表現力の賜物である。
人生と業績
カンターは1943年オハイオ州クリーブランドに生まれ、女子大学のブリンモア大学に進んだ。ミシガン大学で博士号を取得し、1966年から77年までブランダイス大学で社会学の助教授を務めた。1973年から74年にかけてハーバード大学の組織行動論プログラムに参加し、1975年から76年はハーバード大学法学大学院(ハーバードロースクール)の特別研究員であった。
1977年から86年まではエール大学の社会学と組織経営論の教授であった。また、1979年から86年には、マサチューセッツ工科大学(MIT)のスローンスクールの客員教授であった。彼女は起業家精神とイノベーションの「1960年のクラスが選んだ教授」として1986年にハーバード大学に戻り、現在もハーバードビジネススクールの経営管理学の教授職についている。
カンターは1989年から92年にかけて「ハーバードビジネスレビュー」の編集長を務め、1988年の大統領選ではマイケル・デュカキス候補のメインの経済アドバイザーを務めた。彼女は、講演者、講師、国際コンサルタントとして世界を渡り歩いてきた。彼女と後に夫となるバリー・スタインは1977年に経営コンサルティング会社グッドメジャー社を創設し、クライアントには有名巨大多国籍企業数社が名を連ねている。