『半沢直樹』の大ヒットも記憶に新しい日曜9時枠に、同じく池井戸潤氏原作のドラマ『ルーズヴェルト・ゲーム』(4月27日21時スタート/TBS系)が登場する。不況、リストラ、倒産の危機……ビジネスパーソンなら誰もが人ごとではないこのテーマに制作陣はどう挑むのか? 主演の唐沢寿明、半沢に続き演出を手がける福澤監督、そして原作の池井戸潤氏がほかでは語れない本作の「裏側」を語る!

みんなが逃げる試合だから
面白いと思う(唐沢)

唐沢寿明(からさわ・としあき)
得1963年6月3日、東京生まれ。87年に「ボーイズレビュー・ステイゴールド」で舞台デビュー。続く88年に朝の連続テレビ小説「純ちゃんの応援歌」、89年の大河ドラマ「春日局」(共にNHK)に出演し、91年には森田芳光監督作『おいしい結婚』で映画出演。テレビドラマ「ホームワーク」(TBS系)等への出演で実力派俳優としての人気を不動のものとする。以降、数々の舞台、ドラマ、映画に出演。今秋には、5年ぶりの主演映画『イン・ザ・ヒーロー』が公開される。

池井戸 僕はそんなにドラマを観る方ではないんですけど、第1話を観て、ものすごいクオリティの高いエンタメになってるなと思いました。これをタダで観られるってすごいことですよ。課金してもいい(笑)。それでも、みんな観るんじゃないかな。「半沢直樹」の時にも思ったんですが、視聴者って意外と粘り強い。あのドラマも最初の30分が重々しい企業物だったので、これはみんな見ないんじゃないかなと思ったんですよ。その先が面白いのになと。そうしたら、ちゃんと見ててくれた。私たちにはない嗅覚みたいなものが視聴者にはあると思うんです。

福澤 原作を読んだ感動をどうやったら、出せるのか。非常に考えました。「半沢直樹」の時は銀行でしたが、今度は銀行とメーカーの話でも、メーカー側を描いている。それにしても、最初は誰も企業物の「半沢直樹」が当たるなんて思わなかったじゃないですか。他局は全部、ノーケアだったんですよ。それが今回は他局に全包囲網が敷かれてますからね。これはキツイです。

唐沢 それだけ、注目されているってことじゃないですか。僕は人生でよく、こういう厳しい状況に追いやられることがあるんですよ。今回もまさにそう(苦笑)。「半沢直樹」があって、その後にそのスタッフが集結してやるドラマの主演をやろうなんて奴は、なかなかいませんよ。はっきり言って、0か100なんだから。みんな逃げると思う。僕はどっちに転ぼうが、面白いと思いますけどね。自分的にはその方が面白い人生を歩めると思うから。

池井戸 今回、「半沢~」があったから、やりにくいんでしょうね。それですっごいプレッシャーになってる。「半沢~」は負ける可能性のある試合だったのに、あれが勝っちゃった。だけど、今回のように勝って当然の試合に勝つのはものすごく難しいんですよ。