今夏、視聴率トップを独走中のドラマ『半沢直樹』。長いモノに巻かれることなく、自分の信念のもと走り続ける主人公・半沢の行動には、実はメンタリズムで解明できるさまざまな心理戦術が隠されていた!? メンタリストDaiGoが、『半沢直樹』人気の理由を解く!
「半沢直樹」ヒットの影には
メンタリズム的テクニックが隠されていた
やられたらやり返す、倍返しだ――。
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そう、このセリフ。ついに始まりました。『半沢直樹』第二部。
普段テレビを見ない私が、唯一ハマってみているドラマがこの『半沢直樹』です。
このドラマの魅力が主人公・半沢直樹(堺雅人)のキャラクターであり、人間性にあることは言うまでもありません。真っ直ぐで、熱くて、正義感が強く、どんなに追い込まれていても、筋は通して、決めるときはバシッと決める。そんな彼の姿からは、ビジネスマン、とくに管理職に求められるリーダーとしての資質、リーダーシップが見て取れます。
たとえば、第6話(8月25日オンエア)で私が一番印象に残っている場面。
若き日の半沢が、経営危機に陥った大東京ホテルの経営者たちを前に、「経営方針を刷新していただく覚悟があるなら、我々は全力で支援させていただきます!」。その勢いに部屋の空気が一変する。
ここで描かれているのは、半沢の銀行員としての覚悟です。相手に重大な決断を迫るときは、必ず提案した自分もそれ相応、いやそれ以上のリスクを背負う覚悟を見せるという覚悟。そして相手が決断してくれるのなら、何をおいても全力でそれを支援するという覚悟です。
うまいことを言って決断を求めて、問題が起きたら「決めたのはそっち」と責任を逃れて相手のせいにする。そんな誠意のない姿勢では両者がプラスになる取り引きや交渉などできません。自ら進んでリスクを引き受ける半沢の姿勢が、取り引き相手やその周囲の人々の心を動かしていくのです。
彼のその姿勢は自分の部下に対しても同じです。トラブルやミスがあっても部下に押し付けることをせず、部下がピンチのときには自分が矢面に立ってリスクを一緒に背負う。こうした姿勢こそが、組織やチームをまとめ、動かしていくリーダーとしての資質につながっていきます。
こうしたリーダーに部下がついていくのは心情的にも当然ですが、心理学的に見ても説明がつけられます。