通信教育最大手ベネッセホールディングスの顧客情報が流出した事件で、「名簿」をめぐる問題がクローズアップされている。
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今回、流出したのは、ベネッセの通信講座「進研ゼミ」などを利用したことのある子どもや保護者の個人情報約760万件。流出後、名簿業者の間で転売が繰り返され、データを購入したソフトウエア開発会社が、子ども向け教材のダイレクトメールを送付したことで、問題が発覚した。
警視庁は不正競争防止法違反事件として、顧客データベースを管理する委託業者を捜査中。これまでにデータを不正に取得した容疑者を逮捕、「カネになると思った」との動機も明らかになっている。
このデータをめぐっては、実は昨年末あたりから、名簿業界で話題に上っていた。
「性別や年齢のデータが入っており、しかも90%は通電(生きている)名簿だった。その数と質からして、ベネッセ以外にないだろうという見方がもっぱらだった」と、ある名簿業関係者は語る。
しかし、出どころを確認する業者は居なかった。法律に定めがないためで、わざわざそんなことをすれば“やぶ蛇”になるからだ。