経営 × オフィス

メリットは多いのに、
なぜ、女性テレワーカーは増えないのか?
――調査結果から見えてくる意外な現状と課題

河合起季
【第5回】 2014年7月25日
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 「指定を受けたものは、社内ネットワークに接続できるソフトウェアを入れて会社モードに切り替えられますが、それができない私物では、より深い仕事をする場合には使えないのだと思います。

 ですから、具体的にテレワークとして行いたい内容は何かという質問に対しては『会社からテレワーク用の指定を受けたタブレットやパソコンで仕事の作業をする』が7割を超えて、最も多くなっています」(江連主任研究員)

 おそらくテレワーカーは、会社以外の場所でもオフィスと同じクオリティの仕事に取り組みたいと考えているのだろう。だが、会社側としては、前述したようにセキュリティの問題から、社員によってアクセスを制限せざるを得ないという事情があるのだ。

 また、自宅でテレワーカーとして働く環境が整っていないという声も多かった。

 「分科会での議論でも、個室がないとダメ、電話しているときに子どもの声が聞こえるだけでも信頼がなくなる、テレビ会議は背後が意外に気になる、IT環境が整っていないといった意見も出ています」(川上研究員)

 ITツールはそろっていても、いざやろうとすると問題は多いというわけだ。

いまだに根強い
「face to face」信仰

 一方、企業側も発想の転換が必要なようだ。

 「分科会でNTTデータと日本IBMの方にご講演をお願いしたことがあります。両社とも情報システム会社ですが、テレワークがうまく機能しているということでした。

 ところが、同業種の別の会社では、チームでface to faceの打ち合せをしながら、システム開発を行っています。ただ、意外と経営幹部などトップ層が、テレワークの活用方法を知らないことがあります。テレワークでも仕事を切り分けて効率的に作業ができ、進捗管理をしやすいこともあります。テレワークを積極的に導入しようとする姿勢が必要ではないでしょうか」(川上研究員)

 時代の先端をいくはずのIT企業にそんな感覚があるとは驚きだが、それほどテレワークが普及していないという証しでもあるのだろう。

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