なぜ神保町には古本屋が集まり、原宿にはおしゃれな服屋が並ぶのか?同業者が自然と集まる街の謎に迫る写真はイメージです Photo:PIXTA

神保町を歩けば古本屋が建ち並び、原宿を歩けばアパレルショップが次々と目に入る。私たちは当たり前の風景として受け止めているが、よく考えてみれば不思議だ。同じ業種の店同士はライバルのはずなのに、なぜわざわざ近くに集まるのか。その謎を解く鍵は、なんと意外な場所にあるという。※本稿は、一橋大学イノベーション研究センター教授の中島賢太郎、同志社大学経済学部教授の手島健介、京都大学大学院経済学研究科准教授の山崎潤一『歩いて学ぶ都市経済学』(日本評論社)の一部を抜粋・編集したものです。

なぜ神保町には古本屋が
集まり続けているのか?

 小売店やサービス業が地理的に集中している現象は、都市経済学では商業集積と呼ばれている。では、この商業集積の背後にはどのようなメカニズムが働いているのだろうか。

 特に同業種店舗の集積は、初歩的な経済学の視点からすると不思議な現象のように見える。というのも、似たような品物を扱っている店はライバル同士でもある。似たような本、スポーツ用品、洋服を売っている店が隣り合っていたら、競争は激しくなるばかりではないだろうか。

 また、異業種店舗間も、お客さんの限られた予算を奪い合うライバル関係にはある。それにもかかわらず、なぜこれらの店は地理的に集まっているのだろうか。

 実はその答えは、本好きで実際に神保町の古本屋巡りをする人や、アパレルショッピングを普段からよくする人にとっては、すでに明らかかもしれない。

 家から出かけるあなたの頭の中にお目当ての店はあるかもしれないが、そこだけではなく他の店にも立ち寄ってみることが多いだろう。あるいはお目当ての店を特に決めずに行くこともあるだろう。