ダイヤモンド社のビジネス情報サイト

マーケターとしての自信を揺るがした
ソーシャルの破壊力
――佐分利ユージン アドビ システムズ日本法人代表取締役社長に聞く

ダイヤモンド・オンライン編集部
【第45回】 2014年9月22日
著者・コラム紹介バックナンバー
previous page
5

「単品」か「スイート」かは
企業戦略によって決まる

――アドビのマーケティング統合ソリューションは、競合の「ポイントソリューション」(特定の機能に特化したサービス)に比べて利用料が高いということはありませんか?

佐分利 そういうことはないと思います。実際のところ、アドビが提供する6種類の機能をいきなり全部導入する企業はほとんどありません。まず「アナリティクス(Web分析)」「エクスペリエンス・マネージャー(コンテンツ管理)」といった個別のサービスから導入して、徐々に拡大する企業がほとんどですし、アドビでもそれを勧めています。

 クラウドサービスですから、ポイントソリューションを単機能で使ってもいいですし、複数のサービスの組み合わせでも機能するでしょう。ただし、これは企業の考え方次第です。企業が経営戦略としてマーケティングが重要だと考えている場合、いずれ統合型のマーケティング機能(スイート)が必要になると言っていいでしょう。最終的に社内のすべてのデータを解析したいということなら、小さく始めても拡張性が高い統合型を選ぶ方が得策です。

 パッケージソフトの時代は、実際のところ「シェルフウエア」(買ったけれど使っていない、棚に置いてあるだけソフト)が存在したと思いますが、クラウドではそういうことはありません。我々も顧客に利用してもらわないと収益が向上しない、利用度ベースの料金体系になっていますので、コンサルサービスなどを強化して、サービスの利用を促す取り組みに力を入れています。「使ってもらってナンボ」の世界なのです。

――アドビのPC環境での強みは理解していますが、今後拡大するモバイル端末への対応は?

佐分利 いくつかクリエイティブツールのモバイル版は提供していますが、とくに雑誌やカタログ、社内の文書などを電子化してiOSやAndroidのタブレットに配信できるDPS(Digital Publishing Suite)などのユーザーは急拡大しています。

 モバイルアプリにも力を入れています。私がとくに気に入っているのが、iOSに対応した「クーラー(Adobe Kuler)」というアプリです。これはWebサイトの「カラーパレット」(サイトの色調を決める基調色の組み合わせ)を簡単に作成し、ユーザー間で共有できるツールです。たとえば、サイトに使用したい写真と同じ色調を瞬時に取り出すことができるんですよ。カラーパレットを作るというのはかなり大変な作業なので、これは画期的なアプリだと思います。

――社長のオススメ、クリエイターも納得のアプリのようですね。今日はありがとうございました。

previous page
5
IT&ビジネス
クチコミ・コメント

facebookもチェック

IT insight

情報家電、インターネット、ソーシャルメディア、携帯電話など、ITツールの最新情報に加え、激動の市場を勝ち抜くIT企業の戦略、ITを駆使した新しい企業経営の姿などを伝える。ITエグゼクティブや編集部の視点から、ITビジネスの最前線を徹底分析する。

「IT insight」

⇒バックナンバー一覧