セールスフォースの次の標的は<br />「ビジネスアナリティクス」世界一<br />――「dreamforce 2014」現地レポート(1)モバイルアプリケーションの新戦略を説明する、クラレンス・ソー エグゼクティブ・バイスプレジデント

モバイルアプリは
ドラッグ&ドロップで作る

 さて、新しく出たアナリティクス機能を加えたすべての業務アプリは、昨年発表された「セールスフォース1」プラットフォームに統合されている。そして今回、モバイルアプリを開発しやすくするための「ライトニング」というツールを発表した。

 ライトニングは、あらかじめセールスフォースが作成した機能ごとのパーツ(「コンポーネント」と呼ぶ)を組み合わせるだけで、おもちゃのブロックを組み立てるように業務アプリを作ることができるツール。「アクセンチュアの調査では、87%の企業のCEOがモバイル戦略を最重要課題ととらえている。技術者でない現場の社員が“セルフサービス”でアプリを作って業務を改善できる環境は、待ち望まれていたものだ」(モバイルアプリ統括のクラレンス・ソー エグゼクティブ・バイスプレジデント)

 またソー氏は、「モバイル戦略の実行のためには、企業は従業員向けと消費者向けの2つのモバイルアプリを同時に作る必要がある。この2つのアプリが表裏一体の関係になってはじめて、現場を支援し、消費者によい体験を与えることになる」と、いくつかの事例で示した。

 モバイルアプリの開発ツールは、アドビ、オラクル、SAPが今年に入って相次いでリリースしている。どのベンダーも、ユーザー体験の向上と開発のしやすさを推し進めている“熱い”市場だ。

セールスフォースの次の標的は<br />「ビジネスアナリティクス」世界一<br />――「dreamforce 2014」現地レポート(1)プラットフォーム担当のマイク・ローゼンバウム エグゼクティブ・バイスプレジデント

 セールスフォースは、「アップエクスチェンジ」という業務アプリ専用のECサイトと、その開発者コミュニティを持っている。これは他のベンダーに対する優位性だろう。アプリ開発者にとっては、いい業務アプリを作ってオンライン販売すれば、新たな収益源になる可能性があるからだ。

「ライトニングのコンポーネントによって、アプリ開発のスピードは格段に速まる。コンポーネントによるアプリを、できるだけ早い時期に1000本公開したい」(プラットフォーム担当のマイク・ローゼンバウム エグゼクティブ・バイスプレジデント)

「dreamforce2104」最終日の10月16日には、恒例の「100万ドルハッカソン」(セールスフォース上で動くモバイルアプリコンテスト。賞金総額は100万ドル、優勝25万ドル)の表彰式も行われる予定だ。

 ライトニングの登場で、来年(2015年)のハッカソンは「まったくプログラミングができない営業マンが、ユニークな分析アプリで優勝!」となる可能性もゼロとは言えない。もしそんなことが起きたら、セールスフォースが2014年に発表したモバイル戦略は大成功した、ということだろう。

(取材・文・撮影/ダイヤモンド・オンライン編集部 指田昌夫)