この増税しないと国債金利が上がるというネタ元は、財務省である。同省が出した「日本の財政関係資料」がある。直近のものは2014年10月に出されている。その17ページに、「財政への信認低下による金利上昇」とあり、「債務残高の増大により政府財政への信認が損なわれることとなれば、金利の急騰がもたらされる」と書かれている。

 その資料として、24ページに、日本、アメリカ、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、ギリシャの金利のグラフがあるが、どうもメモリがおかしいと思ったら、ギリシャだけ右軸と、他の国と違っているのだ。

増税しないと財政再建できないから
国債金利が急騰するというロジック

 たしかに、ギリシャのように30%を超えると経済に悪影響があるだろう。その他の国は一時高くなっても、すぐに落ち着いていることがわかる。少なくとも、経済運営に大打撃を与えたようなものではないだろう。

 ギリシャの問題は、2011年10月20日付け本コラム「ギリシャはデフォルト(債務不履行)常習国 歴史と最適通貨圏理論で解く問題の本質」で書いたが、破綻常習国のギリシャと日本を比較するときには、よく注意しなければいけない。となると、上の財務省資料も途端に説得力がなくなる。

 前回の本コラム「『消費増税で財政再建できる』は大間違い」で書いたように、増税しないほうが経済成長の確率が高まるので、増税しないと財政再建できないから国債金利が急騰するというロジックは信じがたい。

 国債金利の急騰を信じている人は、もし当たれば儲かっているはずだ。まあ、この話も、本当に解散・総選挙になるのであれば、1ヵ月後に答えが出ているだろう。