20年間で18.5%が姿を消した浪人生たち 
「短期的な楽しさ」を選択する学生像

 はじめに、「受験浪人」はどれほど減っているのか。データを見てみよう。

 文科省の『学校基本調査』によると、高等学校卒業生の大学への入学率は、2004年(平成16年)には123万5482人中45万9456人(37.2%)だったものが、2013(平成25)年には109万1614人中51万7416人(47.4%)と、約10年で10%近く上昇している。

 また、「大学(学部)への入学志願者数」を年次別に見ると、平成16年には18.7%いた浪人生が、平成25年には11.5%にまで減った。ちなみに20年前にあたる平成5年では29.9%が浪人していたので、この20年間で浪人生は約18.5%減ったことになる。

 こうした浪人生の減少によって、今年は大手予備校「代々木ゼミナール」が経営の大幅縮小を余儀なくされた「代ゼミショック」などが起き、受験業界は大きな波紋に包まれた。

 では、「浪人は不要な時間」と見なされるようになった理由は、前述した少子化、大学のハードル低下、不況といった理由だけなのか。大学イノベーション研究所所長で、大学研究家の山内太地氏は、現在の学生のトレンドについて、次のように語る。

「浪人して偏差値の高い名門大学に入ることと、現役で中堅以下の大学に入ることのどちらに価値があるかは、生き方が多様化した現代においては、一方的に決めつけることはできません。昔よりも選択肢が広がっているため、高校生にも進路を選ぶ自由ができました。しかしその結果、多くの学生が『将来的な価値』よりも『短期的な楽しさ』を選んでいるのは、事実だと思います。『将来的に楽をしたいから、今頑張る』という発想は、ほとんどの学生が持てていないのだと思います」