「現役志向」は社会的な風潮だけでなく、学生のトレンドとしても存在しているようである。浪人に対するイメージが悪いことが、原因なのだろうか。

「浪人時代には『大学生でも高校生でもない』というモラトリアムな居心地のよさがあると思いますが、逆にその不安定な状況を嫌う学生も少なくないようです。実際に、ここ数年で『仮面浪人』の割合がかなり高くなってきています。

 とりあえず現役で中堅クラスの大学に入学し、そこから1年勉強して偏差値の高い大学へ転校するという学生が増えているのです。これも『浪人』という響きに否定的なイメージを持っているからこそ、起きる事象ではないでしょうか」(山内氏)

 20年前と比較すると、今の学生は「浪人することは辛くて恥ずかしいものだ」という認識が、強すぎるのかもしれない。

大学全入時代と表裏一体の就職難
偏差値が就職活動に影響する理由

 浪人のイメージが悪いからといって、偏差値の低い大学に入学すると、どのようなことが起こるのだろうか。大学4年間のうちはただただ楽しいキャンパスライフを過ごすことになるだろうが、問題は大学卒業後だ。

 景気回復への見通しが相変わらず不透明なためか、日本の就職率はまだ十分改善されておらず、大手企業は表向きには言わないまでも、相変わらず偏差値の高い有名大学を中心に採用を行う方針をとっているケースも多く見える。

 中堅レベルの大学卒の学生が運良く目当ての企業に入社できたとしても、なかなか出世コースに乗れないまま働き続ける可能性もある。これほどまでに偏差値が就職活動に影響を与える理由について、山内氏は次のように指摘する。