日創プロニティ社長 石田利幸 |
シャープが大阪府堺市に大型工場建設を予定しているが、そのクリーンルームのパネルを作っているのが日創プロニティである。このパネルは、空気中の塵や埃の数が基準値以下に抑えられるように、数々の細かい加工が必要とされる。同社はこの分野で4割のシェアを誇る。
「シャープの担当者がうちの工場を見に来て、一発で採用を決めていった」と社長の石田利幸は言う。
強みは工場生産力だ。福岡県嘉麻市に五つの工場を持ち、プレスに切削、研磨、切断、折り曲げ、組み立てといったあらゆる加工に対応でき、保有機械は200台に達する。同社のカタログの表紙の「加工のデパート」という言葉もうなずける。
「25年かけてコツコツと集めてきたため、機械設備の規模は西日本一だ。素材調達からさまざまな加工までオールインでカバーし、どんなオーダーでも対応できる。この工場を見ると、8割方のお客は発注してくれる」と石田は言う。
時には、自動車メーカーの技術者のほうから、「この機械だったらこういうこともできないか」と相談を持ちかけられることさえある。中国や韓国、台湾などからの工場視察は引きも切らない状態だ。
売上高は現在、約20億円。昨年8月に福岡証券取引所への上場を果たした。