一方、リタイア移住向けの国はどこか。多数の国では資産を持つシニアに向けた「リタイアメントビザ」を発給する。期限があっても条件を満たしていれば更新できるため、永住権に準ずるものと考えてよい。

 人気のオーストラリア、ニュージーランドにはよく似たリタイアメントビザがある。

 オーストラリアは55歳以上が対象で、都市部なら約7000万円の資産と約600万円の年間所得があれば取得できる。ただし問題は物価。同国の1990年代の1人当たり名目GDPは2万米ドルほどだったが、今や3倍の6万米ドルを超え、世界5位である。「ランチで2000~3000円は当たり前。10年以上前に行った旅行の感覚で行くと出費に驚く。年金で生活するのにはコストオーバー。だが国債や社債の金利が4~5%あるので、1億円投資すれば400万~500万円が入る。この金利と年金の合算でバランスが取れる人向け」と大森氏。

 ニュージーランドのビザは66歳以上の縛りがあるが、オーストラリアより物価が安く、金利は高いので老後の移住にお勧めだ。

 欧米で大森氏のお勧めはスペイン。「約7000万円の不動産の購入で滞在ビザが下り、数度更新すると永住権も申請できる。バルセロナに2000万~3000万円の不動産を三つ購入し、二つ貸して家賃収入を得てもいい。環境もよく、パスポートなしでヨーロッパ中に行ける」。