ダイヤモンド社のビジネス情報サイト

「Airレジ」は単なるPOSアプリではない。
リクルートになかったビジネスモデルへの挑戦だ
――大宮英紀 リクルートライフスタイル執行役員

ダイヤモンドIT&ビジネス
【第77回】 2015年1月14日
著者・コラム紹介バックナンバー
previous page
2
nextpage

店舗の業務支援システムを
販売するビジネスを立ち上げる

――これまでのところ、初期費用も月額費用も完全無料としている。Airレジのビジネスモデルはどうなっているのか。店舗に対してリクルートの媒体への広告出稿を促すことだけなのか。

 すべてのサービスが、いつまでも無料のままでいいとは思っていない。システム自体から収益を上げなければ、安定したサービスは続けられないという認識を持っている。

 集客による広告集稿は昔ながらのビジネス。これは当然行う。それに加えて、これまでリクルートができていなかった「業務支援で対価をいただく」というビジネスにも踏み込んでいく。有力なのは、たとえばAirレジのオプション機能を有料で提供するとか、ユーザー数が大幅に増えたときに有料にする料金体系などを考えている。いわゆる「フリーミアム」モデルだ。

――無料の今は、ユーザーの拡大期ということか。

 そうだ。もちろん、まだまだ拡大すると思っているが、一定の数に達したところで有料メニューを加える。ただ、いま無料のものはそのまま続けていくことを基本に考えている。そして何かアドオン機能を使う場合に、価値を感じる方に有料で支払っていただければいい。店舗側からも「無料にはいずれ何かある」と勘繰られることがあるが、そこは安心していただきたい。いずれにしても、今はまだ具体的に話せることはない。

消費者の行動を
文脈で追いかける

――開始1年で、Airレジのシステムにはすでに決済のデータが蓄積されている。これをマーケティングに活用するようなビジネスは考えられないか。

 大規模なチェーン店は、かなり前から独自のマーケティングの仕組みを持っているが、個店はそうもいかない。チェーンだけでなく個店が元気にならないと、消費者も選択肢が狭まる。大手並みの仕組みとノウハウをリクルートが個店に提供することで、活性化できる。店側は、個性を生かす、差別化の部分に力を割いてほしいと考えている。

 すでに、全国のAirレジのユーザー店舗のデータは蓄積されており、今後は業態別のベストプラクティスを店舗に提供したり、「リクルートポイント」との連携で顧客メリットを提供することも可能にしてきたいと考えている。実現すれば我々と組む大きなメリットとしてアピールできるだろう。獲得ポイントによって、顧客をパーソナライズしたサービスを提供することも可能になる。このあたりは、『Airレジ』に閉じずに考えていきたい。

 店舗支援のマーケティングでとくに重視しているのは、決済する「文脈」の分析だ。

 多くの消費者はスマホを持っているので、個々の消費行動の前後の別の行動が一体でわかるようになった。文脈のデータが蓄積されてくると、消費者がAirレジで何かを買ったときに、この人は「何のために」それを買ったのかが見えてくる。その欲求が湧くタイミングに合わせて提案をプッシュすれば、より買ってもらいやすくなる。

 これは、従来のPOSで行ってきた商品ごとの売れ方の分析よりも格段に進化したマーケティングの姿だろう。

次のページ>> 将来のレジの姿
previous page
2
nextpage
IT&ビジネス
クチコミ・コメント

facebookもチェック

IT&ビジネス 業界ウォッチ

IT業界で話題の新サービス・新製品のニュース、これから話題になりそうな新ツール、知っておきたい各種の統計調査……などなど、経営効率化に寄与するIT業界の今のうごきをレポートします。

「IT&ビジネス 業界ウォッチ」

⇒バックナンバー一覧