2009年の日本株を考えるうえで、最も重要な要因の1つが中国だ。中国については、「危機」から「バブル」まで幅広いシナリオが考えられるが、これらを紹介しながら日本株への影響を検討してみたい。
足元の中国経済は「後退」といえる状況だ。世界的な金融危機の影響などにより、昨年11月の輸出は02年2月以来の前年比割れ。また、製造業の景況感を示す購買者指数(PMI)は中立を示す50ポイントを大きく割り込んだ。
特に労働集約型輸出企業の工場が集積する広東省では多くの工場が閉鎖され、失業が増加しつつある。
広東省の工場労働者の多くは四川省など内陸部からの出稼ぎであり、解雇された労働者の多くは地元に帰っている。もともとこうした労働者の多くは旧正月(今年は1月26日)の長期休暇中に帰省するため、今回も自分のことを「早めに休みを取った」程度にしか認識しておらず、失業増は大きな社会問題とはなっていない。