前回の当欄では政策支援・低金利など恵まれた投資環境が続くものの、企業収益の回復はかなりの程度、株価には織り込まれたと述べた。

 今回は、企業業績と日経平均株価の見通し、そして今年注目すべきセクターについてお話ししたい。まず、1月7日の緊急事態宣言は足元の1~3月期の業績にはマイナスではあるが、インパクトは限定的であろうと考えている。

 筆者は、来期(22年3月期)は40%を超える純利益の戻りを予想しており、企業業績の回復を期待する一年であることには変わりない。焦点は、投資家がすでに21年の回復に対して高い期待値を形成しており、実際の業績・景気がそれに届くのかどうかであろう。

 日経平均株価の予想ベースのPER(株価収益率)が過去と比べて格段に高いことは、前回指摘した通りである。さらに加えれば、来期の業績伸び率が40%と高いのは前年度の反動があるからであり、来期には業績改善度合いは大きく低下するだろう。