日経平均株価は2月16日に3万0467円を付けた。一方、企業業績予想は回復を続けているとはいえ、ようやくコロナ禍以前の水準に戻ったところである(次ページ上図参照)。

 この株価と業績予想のギャップをどう解釈するのかが今年の株式市場の見方を決めるだろう。筆者はこのギャップを、中央銀行の金融緩和継続期待と新型コロナウイルスのワクチン接種後の経済再起動期待との二つの期待がつくり出したとみる。

 しかし、景気回復が現実となれば早晩、中央銀行は現在の超緩和的な金融政策を修正するだろう。従って、二つの好材料が同時に存在できる時間は限られそうだ。

 最近、米国の長期金利が一時期の0.6%付近から1.6%近くまで上昇したことは、FRB(米連邦準備制度理事会)の流動性供給が減少するのではないかという懸念を表している。