親が亡くなると、真っ先に困るのが実家をどうするかです。思い出が詰まった実家を売るのはしのびないものですが、とはいえ持っていても固定資産税などをいつまでも負担するのは避けたい方が多いことでしょう。どうせ実家を売却するなら、これからの自分たちの生活の足しになるようにしたいものです。ちょっとした工夫で、それは十分可能です。

誰も住まない家は金食い虫

 坂上さんの父親は一昨年に亡くなり、自宅の土地、建物などは長女である坂上さんが相続しました。2人の妹には現金を相続することで円満に手続きはできています。

 坂上さんは独身でしたが、父親とは同居をせず、一人暮らしでした。父親が80代になると世話をする必要もあり、フルタイムの仕事をすることはできませんでした。母親は20年も前に他界しており、妹2人は嫁いで離れたところに住んでいるため、近くに住んでいた独身の坂上さんが父親の世話を引き受けたのです。

 父親が亡くなったとき、相続財産の中で大きな割合を占めていたのが実家(自宅不動産)でした。坂上さんの住居とは離れているため、父親が亡くなったからといって、実家に住むつもりはありません。そうなると、空き家の実家を所有することで固定資産税などの税金が掛かるので、坂上さん姉妹にとって出費がかさむ一方です。

 そこで相続に強いところを探して当社に依頼されました。