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「イスラム国」による人質事件に対する政府の対応を世論はどう評価しているか。直近の世論調査では、評価する人が多く、内閣支持率も上昇している。
また、2月16日に発表された昨年10~12月のGDP速報値が3期ぶりにプラスに転じて株高も一段と進んだ。
これを受けて、国会論戦では安倍晋三首相の強気の発言が目立っている。
今回の速報値を総評すれば、「日本経済は前向きに歩き始めたことが確認できる」とでも言うべきだろう。
私なりに、プラス面とマイナス面を指摘すると次のようになる。
GDP速報値が示す3つのプラス面
(1)17年ぶりに実質成長率が名目成長率を上回り、数字の上では“名実逆転”が解消し「デフレ克服」に期待を抱かせる。
ただ、これについては、需要不足の構造に何ら変化がないこと、あるいは消費税増税が物価の上昇に寄与していることなどを勘案する必要がある。
しかし、「デフレ克服」への心理的効果はそれなりに大きいと評価はできる。
(2)年率換算の実質経済成長率は2.2%増、3期ぶりにプラスに転じ、日本経済が消費税増税地獄から這い上がりつつあるように思わせる。ホッとした人は多いだろう。
民間の予測の平均は3.5%増であったから、速報値はそれをかなり下回っている。なぜ予想よりこの期の回復力が弱かったかは冷静に分析する必要がある。
(3)輸出が予想外に伸び、輸入が予想外に伸びなかったことも好感される。
特に、外国人観光客が1300万人を超え、その巨額な買い物が輸出増に寄与して成長率アップに貢献した。
また、急激で大幅な原油安が輸入を金額上抑えたことも幸運であった。