まだ泊まったことはないが、いつか泊まってみたい。そう思わせる「憧れのホテル」をアンケート回答者3466人に挙げてもらいランキングしたところ、各地の老舗ホテルが上位に名を連ねた(アンケート方法については文章末をご参照ください)。

 いつか泊まりたい──「憧れのホテル」ランキングのベスト10は次の通りだ。

1位 帝国ホテル 東京(総合点222点)
2位 ザ・ウィンザーホテル洞爺リゾート&スパ(同69点)
3位 東京ステーションホテル(同67点)
4位 富士屋ホテル(総合点66点)
5位 東京ディズニーシー・ホテルミラコスタ(同55点)
6位 東京ディズニーランドホテル(同53点)
7位 ザ・リッツカールトン東京(同47点)
7位 星のや 京都(同47点)
9位 日光金谷ホテル(同39点)
10位 ザ・リッツカールトン大阪(同37点)
10位 ザ・リッツカールトン京都(同37点)

「帝国ホテル 東京」は、明治時代の日本にはなかった諸外国の賓客を迎えるためのホテルとして、財界有志の手で創立された。“日本の迎賓館”の異名を持つゆえんである。

メインダイニングから花御殿を望む富士屋ホテル

 その開業は1890年だが、リゾートホテルの先駆けである箱根の「富士屋ホテル」の開業はそれよりも古く78年。帝国ホテルとほぼ同時期に開業した「日光金谷ホテル」は、その前身の「金谷・カッテージイン」の開業となると73年、新政府が誕生して間もない明治6年にまでさかのぼる。

 関西の迎賓館として「奈良ホテル」が生まれたのは1909年で、これらのホテルはいずれも100年を超える時を刻んできた。

 これに今年で開業からちょうど100周年の「東京ステーションホテル」を加えれば、日本の老舗ホテルのオールスターそろい踏みということになろうが、長く庶民の憧れであったこうしたホテルが「いつか泊まりたい」ランキングで上位に名を連ねたのも、ある意味で当然のことといえるかもしれない。

建物が重要文化財の
東京ステーションホテル

 かつては限られたエスタブリッシュメント層の社交場であったこれら老舗ホテルも今では広く門戸を開いており、歴史ある館内を巡り、数々の逸話を知るだけでも豊かな時を過ごすことができる。

 帝国ホテル 東京の定保英弥総支配人は、「外資系高級ホテルが次々と進出してくる中で、日本のホテルも切磋琢磨して(ハード面、ソフト面とも)レベルが上がってきた」と語っているが、外資を含む高級ホテルの選択肢は世界有数。それでいて、円安の進行もあって日本の高級ホテルの宿泊費は海外に比べてかなり割安感がある。海外旅行にお金を掛けるなら、国内の高級ホテルでゆったりと過ごすのも、ぜいたくな時間の使い方といえるだろう。