SNSで拡散された人気商品ランキングで
同日中にマツキヨの棚が空になる

 口コミではないのだが、急速に威力を伸ばしているのが、ウェブ上で広がる「人気商品ランキング」だ。

 3月22日、微信で「日本の『神薬』ランキング」が拡散された。ビオフェルミンや太田胃散、頭痛薬のイブなどがランクインしたのだが、なんと、その日のうちに銀座や新宿のマツモトキヨシで、これらの商品が根こそぎ買われ、棚が空っぽになったという。

ある中国人が作成した爆買いリスト。対象商品は日本に来る前に、既に選ばれている

 また、来日する際に、多くの友人知人から買い物の依頼を受けることも、爆買いの大きな特徴だ。

「『コレを10個お願い』と頼まれ、日本円まで持たされるケースがとても多い」(徐代表)。頼まれた商品や、自分が口コミやランキングで選んだ商品をもとに、出国前には「爆買いリスト」が出来上がっている。そして、空のスーツケースを3つも4つも持ち込み、買い物に臨む。

 つまり、店頭で安さを競ったり、サービスを手厚くしても、彼らは既に買うものを決めてきているのだから、効果が薄いというわけだ。

 では、どんな商品が好まれるのか。圧倒的な人気を誇るのが、医薬品や化粧品。キーワードは「体への影響が大きい(健康にいい)ものや、小さくてたくさん買えるもの、そして小分けできるもの」(高橋大介・百度日本法人国際事業室長)。たとえば、今や定番のおみやげとなった「白い恋人」は箱が薄いし、花王の温熱シート「めぐりズム」は箱の中身が小分けとなっている。

 また、温水洗浄便座や魔法瓶、炊飯器といった家電製品も人気だ。こちらは定価が日本の方が安かったり、性能が良く「本物(ニセモノでない)」ことが評価されているようだ。

 こうして人気商品となったものには、独特の「愛称」がつくのも特徴だ。白い恋人なら「白的恋人」、SK—IIの化粧水なら「神仙水」、アルビオンの化粧水は「健康水」だ。こうした愛称がつけば、爆買いリストに載る可能性はとても高い。商品だけではない。マツモトキヨシは「松本清」という愛称がある。面白いことに、サンドラッグも「松本清」と呼ばれており、中国人たちが殺到する人気スポットとなっている。