変化に対応していくポイントは
常に「お客様第一」

 しかし、しんどいときこそ真っ先に考えなければならないのが、「お客さま第一」です。企業は、お客さまのために良い商品やサービスを提供し続けるという使命があります。そして、それをおこなってこそ会社が存続できます。それが企業の存在の第一義です。それがなくなれば、従業員の雇用ももちろんできなくなります。

 経済的に余裕があれば、従業員の雇用を守りながらも方向転換ができますが、その際にも、もちろんお客さま第一を念頭に置いて方向転換を行わなければ、従業員の雇用を守ったけれども、その後、また会社が傾き、従業員の雇用も守れないということにもなりかねません。

 そのためにも、社会の大きな流れを読み取ることが何よりも必要なのです。前回にもお話ししたように、社会の大きな流れに勝てる会社はないのです。

「世の中の動きを知る」というのは、もう一歩踏み込めば、「世の中が変わっていくことを前提に」経営することだと言えます。ピーター・ドラッカーは、このことを「イノベーション」という言い方で表現しています。ドラッカーの言うイノベーションとは、世の中が変わることを前提に、現在と未来のバランスをとりながら、今よりより良くするために企業活動を行うことです。

 言い換えれば、世の中が変わることを前提に、「今、お客さまが求めているもの」と、「将来、お客さまが求めるであろうもの」を考えながら、より良い商品やサービスを提供していくことになります。