「野球型」から「サッカー型」の
マネジメントへ
LINE株式会社には、そのエコシステムが存在します。
スポーツにたとえれば、「野球型」よりも「サッカー型」の組織体制です。
野球はすごく管理されたスポーツだと思います。打順が決まっていて、自分が何番目に打つのかがわかる。ポジションも固定的で、ピッチャーがキャッチャーをやることはまずない。 そして、一球ごとに監督がサインを出して、選手たちをコントロールすることができる。監督の采配がゲームに及ぼす影響が非常に強いスポーツです。
一方、サッカーはきわめて流動性が高いスポーツです。一応ポジションはありますが、状況次第でいくらでも変わります。場合によっては、ゴールキーパーがシュートを狙ったっていい。しかも、監督はゲームをコントロールすることはできません。一瞬一瞬の判断は、すべて選手に委ねられているのです。ゲームの行方を左右するのは、選手一人ひとりの技術と、チームとしてのコンビネーション。つまり、彼らの間で良好なエコシステムが機能しているかどうか、なのです。
イノベーションを生み出すのは人間であって、システムではありません。
社員をシステマチックに管理しようとすればするほど、イノベーションから遠ざかってしまうのです。逆に、彼らが生き生きと仕事ができるエコシステムを生み出したときに、はじめてイノベーションの可能性が生まれる。だから、今やるべきことはシンプルです。「経営とは管理することである」という固定概念を捨てる。これが、イノベーションへの第一歩だと思うのです。