前回、前々回と、私が衝撃を受けた“凄いIT”を紹介してきた。今回の第3弾としては、iPhone・iPad(他のスマホ・タブレットを含め)アプリのエコシステムの広がりがもたらすインパクトについて、個人的な感動体験をベースに紹介したい。

必要は“閃き”を生む

 まずは、例によって多趣味が高じて出合った衝撃から。趣味があまりおありにならない方からすると、実にたわいない、感動もない話なのかもしれないが、ささいなことにも感動のタネを見つける人生は絶対に面白いと私は声を大にして言いたい。

 さて、話は10月中旬に戻るが、私が理事を務める幼稚園の集会で、ギターを大々的に使う必要が生じた。ギターは、エレキを始め、既に数本所有しているが、長い間弾いておらず、コードを押さえる手や指等々の筋肉、肌が軟弱になっていることもあり、弦の張りが少なく、なおかつ押さえやすいギターが欲しくなった。

 持っている物の中では、フェンダー社のエレキ「テレキャスター」(ギターの名前)がぴったりなのだが、よりソフトで、アコースティックな音が相応しいと考え、ネックが細身のTAKAMINE(日本製)のエレアコ(エレクトリックアコースティックギターの略)のガット弦とスチール弦を一本ずつ。

 最近のこの手のギターには、チューナーがおまけでついているのだが、あいにく電池はついてこない。雨が降っていてコンビニに買いに走るのも面倒だ。何より、買った物はすぐに試したい性分。チューナーを使わないで適当に音を合わせて使おうか、と思ったその時に、目の前にある iPhoneが目にとまった。iPhoneにはマイクもスピーカーもついている。AppStoreにチューナーもあるに違いない、しかも無料の奴が…と思いついた。まさに“閃き”(ひらめき)である。

 早速AppStoreを検索すると“ピンポーン!!”あった、あった。それも過去に所有したいかなるチューナーよりも感度が良く、見やすく、アナログメーターの表示がまたプロっぽい。考えてみれば、ハードウェアのチューナーよりも、遙かに高度なマイクロフォン、音声処理技術、表示機能がiPhoneには備わっているのだから、それを最大限活用するソフトがあれば、専用機を凌駕して当然なのだ。

 早速、それを用いて、チューニングをし、電池を買いに行くよりも早く、目的を遂げることができた。調子に乗り、メトロノームもあるだろうと考え、同じく無料のアプリを手に入れた。楽器演奏に必要な高度な道具はほとんど全て、iPhoneがあればフリーで即刻手に入る。“欲しいのはいつ?” ⇒ “今でしょ!”を体験した…。

 この筆者は、何を今さらゴチャゴチャ書いているのか?と感じる方は、あなたの感動センサーがさび付いているか、興味を持てる、否、やりたいことがないからではないかと多少怒りを込めて言いたい。