大学入試の変化の点で注目されるもう一点は、センター試験に代わる大学入学希望者評価テストの在り方について、「合教科総合形式」の適性テストが想定されていることだ。このモデルとされるのが、国際基督教大学(ICU)が15年から始めたATLAS入試(総合教養入試)だ。

 中学受験生の保護者なら公立中高一貫校の入試を思い浮かべるだろうし、プロの中学入試情報関係者なら桐朋女子の口頭試問入試を思い浮かべるだろう。大学入試関係者なら慶應義塾大学経済学部の英語入試(合教科入試のイメージ)を思い浮かべるかもしれない。

宝仙理数インター的
総合教養型入試が注目

 いずれにしても直前の知識詰め込み型入試から、やや中長期の学習を前提としたものに変わることになり、高校だけの学習よりも中高を通じた学び、もっと言えば全ての学校での学び方につながる変化といえる。

 その意味で、中学と高校の連携が図られている学校を選択する方向に人々の関心が向かうことになろう。

 加えて、宝仙理数インター的な公立適性型入試のワンランク上の総合教養型入試を設定すれば、中学受験生の学び方も、より本格的な方向に向かう可能性がある。

 15年入試では、これまでずっと増加してきた公立中高一貫校の受験者数が大きく減少に転じる一方、30校余りが実施する宝仙理数インターのような私立の適性入試の受験者数が大きく増加した。

2016年、首都圏の中学受験はこうなる!<br />新たな受験層が参入する兆しも入試改革により、公立中高一貫校への志望が高まる可能性がある

 公立校に関して言えば、16年千葉県立上位高校の東葛飾が中学を併設し、神奈川の県立横浜サイエンスフロンティア高校も17年開校予定で中学を併設する。そのため、公立中高一貫校受験生は千葉、神奈川で拡大すると思われる。

 また、今春初めて卒業生を出した神奈川県立相模原中教の大学進学実績が良く、あらためて神奈川県北部の公立中高一貫校ニーズが高まる可能性もある。

 公立、私立を問わず、こうした「合教科総合形式」の適性テストへのニーズが示すことは、従来の中学受験型にとらわれない受験層が今後はもっと対象になっていくということだ。前述の英語入試などでも、帰国子女を含めて既存の中学受験層とは違う層を巻き込んでいくことが考えられる。

 実際、15年入試で増えた受験生は、従来の中学受験塾に通塾していなかった可能性が少なくない。