立つのがつらい……
そんな関節の痛みにも積極的に運動を!
「病気になったら絶対安静!」とは昔から言われてきたことです。
しかし最近の研究から、どんな病気も、安静より積極的に体を動かすほうが早く癒え、症状も改善することがわかってきました。
たとえば腰や膝の痛みで悩んでいる人も多いと思います。
年を重ねるごとに多くなる典型的な障害の1つが「変形性関節症」です。関節の軟骨が老化するために起こるもので、比較的、女性に多く認められます。
このような障害を克服する原則は、
・運動をたくさんすればするほど症状は軽快する
・運動の種類は問わない
・少なくとも半年以上続ける
ということです。
「健康のための運動は、何がいいですか?」という質問をしばしば受けます。
この質問に対する答えは、きわめて明快、かつシンプルであることが、エビデンスの積み重ねでわかってきました。すべての病気で共通している点も興味深いところです。
(1)運動の種類は問わない
(2)1日に30分以上
(3)週に3~5回実行する
(4)とくに女性は、骨折予防のため軽い筋肉トレーニングも取り入れる
運動の種類についてあえてつけ加えれば、他人のまねをせず、長続きするものを選ぶことです。一人でもできるもの、時間がないときでもやれるもの、楽しくやれるものがお勧めです。
(本連載は、『「先生が患者ならどうします?」医師が自分のために選ぶクスリ・治療法』に、一部加筆したものです)