『原子炉時限爆弾』で、福島第一原発事故を半年前に予言した、ノンフィクション作家の広瀬隆氏。
このたび、壮大な史実とデータで暴かれる戦後70年の不都合な真実を描いた『東京が壊滅する日――フクシマと日本の運命』が第4刷となった。
一般書店だけでなく、Amazon.co.jpの総合ランキングでも上位にランクインし、全国的に大きな話題となっている。
新著で「タイムリミットはあと1年しかない」と、身の毛もよだつ予言をした著者が、原発問題に詳しいダイヤモンド社論説委員の坪井賢一と対談。
戦後70年の終戦記念日に緊急警告する!

「戦後70年の不都合な真実」と安倍晋三の系図

タイムリミットは1年しかない!<br />戦後70年の「不都合な真実」とは?<br />――広瀬隆×坪井賢一(ダイヤモンド社論説委員)対談<前篇> 広瀬 隆(Takashi Hirose)
1943年生まれ。早稲田大学理工学部卒。公刊された数々の資料、図書館データをもとに、世界中の地下人脈を紡ぎ、系図的で衝撃な事実を提供し続ける。メーカーの技術者、医学書の翻訳者を経てノンフィクション作家に。『東京に原発を!』『ジョン・ウェインはなぜ死んだか』『クラウゼヴィッツの暗号文』『億万長者はハリウッドを殺す』『危険な話』『赤い楯――ロスチャイルドの謎』『私物国家』『アメリカの経済支配者たち』『アメリカの巨大軍需産業』『世界石油戦争』『世界金融戦争』『アメリカの保守本流』『資本主義崩壊の首謀者たち』『原子炉時限爆弾』『福島原発メルトダウン』などベストセラー多数。

広瀬 今日は2015年8月15日ですので、みなさんは「終戦記念日」だとしか思っていませんよね。もしかしたら、「終戦記念日」ということすら忘れている人がいるかもしれません。
 1945年8月14日――日本がこの日にポツダム宣言の受諾を連合国に伝えて無条件降伏し、8月15日が終戦記念日となりました。
 でも、これは日本人の記念日です。アメリカ・ヨーロッパの軍需財閥にとって、8月15日は格別深い意味を持つ日ではなかったのです。

坪井 それはどういうことですか。

広瀬 アメリカを中心とする軍需ビジネスは第2次世界大戦によって工場が肥大化した分だけ、戦後もそれを維持しなければならなかったので、一日も休みなく作業を続ける必要がありました。
 戦前から続いていた「核兵器開発」はここで終わったわけではなく、広島・長崎への原爆投下は、単なるプロローグにすぎなかったのです。
 歴史を1945年8月15日の終戦で区切ると、われわれが目撃している彼らの事業の正体を見失うことになります。第2次世界大戦後こそが、彼らの稼ぎ時だったのです。

 このあたりはほとんどの読者の方がご存じないでしょう。
 ですからあえて今回、具体的な固有名詞や実名企業をあげ、原爆開発から原子力発電へと“華麗な転身”をとげ、放射能の安全論を広めてきたIAEA(国際原子力機関)やICRP(国際放射線防護委員会)が戦前から戦後、どういうことをやってきたかを書きました。
 その本が『東京が壊滅する日――フクシマと日本の運命』です。

坪井 オビには「戦後70年の不都合な真実」とありますね。

広瀬 正直個人的にはあまり好きなフレーズではないのですが、事前に原稿を読んでもらった編集者からも「これはまさに不都合な真実ですね」という声があがっていました。
 確かに、本書の内容は、政治家や役人、実業家にとって「不都合な真実」でしょう。この本を読むと、なぜ安倍晋三が、この2年で1ワットの電力も生んでいない原発をあえて再稼働させるのか。そのカラクリがわかります。
 ぜひ、本書にある「長州藩の歴代犯罪の系譜」の安倍晋三の系図を見ていただきたいですね。