客足増で快進撃を続けるテーマパーク・USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)。同テーマパークを運営するユー・エス・ジェイは今年5月、東京証券取引所に上場を申請、早ければ来月9月に上場を果たす見込みだ。いったいその強みは何なのだろうか。浮き沈みの激しいテーマパークビジネスにおいて、差別化を図るポイントはどこにあるのか。上場直前のこのタイミングにおいて、ファンの声を交えながら、USJの「強み」と今後の展望を改めて分析しよう。(取材・文/朽木誠一郎、編集協力/プレスラボ)
過去最高の来場者数と利益を実現
上場直前、USJの「強み」を分析
世界興行収入歴代3位を記録した映画『ジュラシック・ワールド』の勢いが止まらない。日本では当初の予定より2日前倒しの8月5日に公開され、夏休み期間であることも手伝って、平日でも連日満席が続いている。特に、座席が上下左右に振動し、風や煙などの特殊効果が体験できる4Dシアターは大人気で、チケットの入手も依然困難。特殊効果ももちろん集客に影響しているだろうが、その人気を語る上で注目すべきは映画とアトラクションとの親和性の高さだろう。
現代に甦る恐竜の世界を描いた『ジュラシック・パーク』シリーズを、ボートツアー、ジェットコースター(2016年春完成予定)といった屋外アトラクションで楽しめるのが、大阪府にあるテーマパーク・USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)である。USJは大手映画会社のユニバーサル・スタジオ配給の映画である『ジョーズ』や前述の『ジュラシック・パーク』を目玉に、ハリウッド映画を体験できるテーマパークとして2001年に誕生した。
現在、このUSJが快進撃を続けているのは周知の通りだ。昨年7月に開業した、映画『ハリー・ポッター』の魔法の世界を再現した「ハリポタエリア」が大ヒットし、2014年度の来場者数は約1270万人と、過去最高を記録。折からのインバウンドブームによる外国人観光客の増加も手伝って、パークを訪れる人々の数はうなぎ上りとなっている。旅行代理店が企画するツアーやホテルを含めて、USJがもたらす経済波及効果は、もはや軽視できないレベルに達している。
足もとで注目されているのは、今年5月、USJを運営する株式会社ユー・エス・ジェイが東証に上場を申請したことが報じられたことだ。同社は、早ければ来月9月に上場すると見られている。沖縄に“南国リゾートでのリフレッシュ”をテーマにした新施設の建設を発表するなど、USJはここに来て大阪以外の他地域への事業拡大も視野に入れている。上場には、そうした新事業への投資資金を得る目的があると見られる。
すっかり日本を代表するテーマパークとなったUSJだが、いったいその強みは何なのだろうか。浮き沈みの激しいテーマパークビジネスにおいて、差別化を図るポイントはどこにあるのか。上場直前のこのタイミングにおいて、ファンの声を交えながら、USJの「強み」を改めて分析しよう。