1999年4月からスタートした「平成の大合併」により、当時3232にのぼっていた市町村数は、今年3月末で1728にまで激減した。約6万人を数えた地方議員も半分近くに減少し、逆に、年金を受け取る元議員が増加した。このため、市町村議の積立金が11年度には枯渇する事態にまでなっている。

 まさに崖っぷちである。市町村議の掛け金は報酬の16%、期末手当の7.5%。さらに、自治体が給付額全体の12%を負担し、そのうえ国が合併にともなう激変緩和措置として、同じく給付総額の4.5%を負担している。

地方議員年金財政の破綻に伴う
「痛み(負担)は国民(税金)に」

 総務省は昨年3月、有識者による「地方議員年金制度検討会」を設置し、制度廃止も視野に入れた改正案作りに乗り出した。一方、地方議員側(全国市議会議長会や全国町村議長会など)も、独自案のとりまとめを急いだ。

 制度維持のために公費負担を増やせと、要求したのである。年金財政の破綻はそもそも、市町村合併という国策による起因するもので、痛みを自分たち(地方議員)に強いるのはおかしいと、強く主張した。公費負担率と激変緩和負担金を増やし、給付水準の維持を要求した。つまり、年金財政の破綻にともなう「痛み(負担)は国民(税金)に」という考え方だ。

 総務省の検討会は昨年12月、3つの案を併記した報告書をとりまとめ、原口一博総務大臣に答申した。

 そのうちのひとつが廃止案で、こんな内容だ。議員はこれまで支払ってきた掛け金の64%を一時金としてまとめて受け取るか、在職12年の受給資格をもつ議員の場合は一時金の受け取りか、給付水準を引き下げた年金を受け取るかを選択できる。また、すでに年金を受給している議員OBは、給付カットなしでそのまま受け取り続けるというものだ。