仕事で思うような成果をあげることができず、壁にぶつかって伸び悩んでいるビジネスパーソンの多くは、多種多様な理由で悩んでいるようですが、私のみるところ、そうではありません。その理由とは意外なことにたった一つなのです。新刊『外資系コンサルの3STEP思考術』の著者の森秀明が、同書のエッセンスとともに紹介します。

こんな仕事の壁にぶつかっていませんか?

 「時間や労力をかけたのに、それに見合った結果が出ない」
 「完璧に仕上げたつもりの仕事なのに、予想以上の低評価」
 「話を聞いてもらったが、相手がなかなか動こうとしてくれない」

  これらの悩みは一見、異なるようでも最終的にたどり着く現実は同じ一つのこと。それは、「相手が聞きたいことを、きちんと伝えていない」ということになります。

 恐ろしいことに、相手が聞きたいことを伝えることができていない人たちの中には、自分が当事者であることに気づいていない人もいます。たとえば、次のようなことが習慣になってしまっているかどうかも見極めるポイントになります。

・自分の意見を一方的にしゃべる
・用意した資料をそのまま説明する
・相手の言葉を聞くゆとりがない

 これらの項目に一つでも心当たりがあるようなら要注意。自覚がないまま、やがて仕事で“行き詰まり”を感じるときを迎えてしまう危険性を孕んでいると言えます。

 本書を書くにあたって私が強く感じていたのは、相手が聞きたいことを正しく伝えることができない根本的な原因が「そもそも、よく考えていない」ことにあるのではないか、という点でした。よく考えていないから、自分の意見を一方的にしゃべる。よく考えていないから、用意した資料をそのまま説明する。よく考えていないから、相手の言葉を聞くゆとりがない。前述したチェック項目も、このことが原因だと考えることができます。