【論点②】
持ち家はローン負担リスクが高い?

 住宅ローンは個人の信用力の証である。銀行と保証会社がお墨付きを付けた返済能力のある人にしか貸さない。もし返せなくなるとするならば、多重債務になっているか、大幅に年収が下がったか、のどちらかが圧倒的に多い。それは自分のリスク管理の問題であり、家やローンのせいではない。

 実際、ローン破綻者を見ると、返済額が年収の25%以内の人の割合は1%未満であり、非常に低い。年収のわりに借り過ぎている人はリスクが高いが、そんなことは借りる前からわかっていることだ。持ち家の人の平均年収は総じて賃貸より高く、取得後の年収も上昇する確率が高い。そして、そもそも35年ローンを35年で返した人などいない、と言われている。それは多くの人が取得時よりも年収を上げたり、資産形成に成功し、繰り上げ返済をしているからに他ならない。住宅ローンを背負ったら、向上心を持ってこれまで以上に頑張らなければならないし、実際そうしている人が多いということだろう。

 それでも住宅ローンがリスクだと言うなら、まずやるべきことは頭金を貯めることだ。リスクはいざというときに持ち家が売れないことだとすると、頭金を3割積んでいれば、いきなり3割値下がりしなければ売却可能ということになる。

 次にやることは、持ち家を賃貸に出したらいくらになるかを調べておくことだ。通常、賃料を購入額で割った利回りは4%程度ある。これに対して年間の元利返済額が購入した物件価格の何%になるか、計算しておこう。金利1%・35年返済なら、購入額すべてをローン組んでいても3.4%であり、頭金を積んだ分だけ減っていく。頭金が1割なら3.1%、2割なら2.7%、3割なら2.4%がローン負担割合になる。これを賃料で補えるのなら、返済が滞ることはない。この意味でも、頭金を積む意味がある。

【論点③】
団信では死亡しないと補償されない?

 賃貸では死亡したら何の補償もない。それに対して持ち家にかかる住宅ローンは、団信(団体信用保険)に入っておけば返済者の死亡時に返済が免除されるので、死亡保険の意味合いがある。「死亡するならまだしも、病気で働けなくなった場合は住宅ローンが負担になるではないか」という主張もあるが、果たしてそれはどのくらいの確率で起きるものだろうか。家を買う前からそれをリスクだと思っているなら、買わない方がいいと思う。たとえそうなったとしても、まずは金融機関と調整した方がいい。ここでも資産価値を考慮して物件を選んでいれば、売却で問題は解決する。賃貸でも所得がなくなれば住み続けられないのは、同じことだ。