2017卒では“選考のフライング”が増加?
「2016卒は内定者ゼロ」の企業も

 では今後、もし6月解禁になるとした場合、どのような影響が出てくるのでしょうか。今回はダイヤモンド・オンライン編集部が取材した学生や企業の声も含め、今後の就職活動への影響について考えてみましょう。

 まず、変更されたスケジュール自体に懸念が出てきます。なぜなら、今年すでに経団連の定めたスケジュールを破る企業が少なくなく、また経団連加盟企業以外はこれまでと変わらないスケジュールで選考を進める企業が多かったからです。初年度で採用スケジュールを遵守した企業が「正直者が馬鹿をみる」状態になってしまった以上、次年度はより早期に選考が進められる可能性があります。

 仮に6月解禁となった場合、より早期に1次、2次選考を済ませてしまう企業も増えるのではないでしょうか。だとすると一般の学生は、リクルーターなどを含む水面下で進んでいる企業選考の情報を取りづらくなるでしょう。企業一つひとつの動きを早めにチェックしておかないと、結果的に意中の企業の選考が既に終わってしまっていたという事態にもなりかねません。

 さらに時期が早まることで留学生の就職活動も難しくなるという恐れがあります。公務員志望者は、公務員試験と企業の選考日が重なる可能性も否定できないでしょう。

 ダイヤモンド・オンライン編集部が学生に取材した結果、今年すでに次のような事態が起きていることがわかりました。2016年卒予定、10月末時点で就職活動中の文系男子学生4年生です。

「5~7月は週3~4で就職活動をしていて、学業との両立がすごく大変だった。4年でも必修単位があるうえ、大学が厳しいため、企業から説明会や選考に参加していたという“証明書”をもらうことになっていたが、嫌がられる企業もあるため面倒だった。

 自分は7月時点で内定をもらっていたが、内定式に参加して『これでよかったのか』と思ってしまい、早く決めなければと思って焦ったことを後悔している」

 証明書をもらうケースは6月解禁となった場合にも引き続き起こることでしょう。大学側としても混乱をきたさないよう、事前に対策をとることが重要になってきます。また、スケジュールの後ろ倒しによって、早く内定をもらってラクになりたいという気持ちがミスマッチを生んだ例と言っていいでしょう。