10月の内定式が終わると、慌ただしく外資系から選考が開始する。大学3年生の中にはインターンに参加している学生も多いが、企業によっては、このインターンが「選考の場」になっている。そう、いつの間にか2017年卒の就職活動はスタートしているのだ。
一方、売り手市場で好調だったはずの16卒で、すでに「就職留年」を決めている学生もいる。いったい彼らに何が起こったのか。16卒の就活状況を振り返りつつ、17卒が今からやっておくべきことを、キャリア支援スクール「我究館」の熊谷館長にうかがった。
売り手市場でも内定ゼロの、優秀な学生たち
「就職留年をしようと考えています」
このような相談にくる学生が、後を絶たない。
しかも、昨年の倍以上いる。
売り手市場といわれているはずなのに、なぜだろうか?
ちなみに、「就職留年」とは、就職活動で満足のいく結果を出せなかった大学(主に大学4年生)が、翌年も新卒採用の選考を受けるために留年することをいう。意図的に単位を落としたり、卒論を提出しなかったりすることで、学生自身で、あえて「就職留年」という選択をする。
「就職留年するような人は、よっぽどダメなヤツだろう」と思うかもしれないが、実はそうではない。それどころか、「なんでこの人が落ちたのか」と思うような、魅力的な学生が相談にくる。人柄、経験、スペックも申し分ない。例えば都内の有名私大に通う、サークルやゼミの幹部、友人も多いタイプの学生。どこの企業も欲しがりそうな人材だ。そんな彼らでも失敗する。
そこにはある共通点があった。
優秀がゆえに、「動き方を間違えた」のだ。