「オーガニックコーヒー」はカビ毒リスクが高い⁉
カビ毒への反応は、各人の体質などにより異なりますが、低度のカビ毒にあたるだけでも、心身の働きが鈍くなり、さらに高度な毒を受ければ、心筋症やがん、高血圧、腎臓病、脳損傷といった深刻な症状を引き起こす場合も。すべてのコーヒーにカビ毒が含まれているわけではないものの、ブラジル産コーヒーの生豆を検査したある研究では、加工前の90%以上の豆がカビ毒に冒されており、また別の研究では、レギュラーコーヒーのほぼ50%がカビていることが判明。日本では政府がコーヒーのカビ毒に安全基準を設けていますが、アメリカやカナダでは規制が認められていないのが現状なのだとか。
じゃあ、カビ毒に冒されていないコーヒー豆を選ぶにはどうしたらいいか。
まず、低価格なコーヒー豆の場合、品質が低いだけではなく、カビ毒に冒されがちな傷んだ豆を高い割合で含んでいる危険性があるので避けたほうが賢明。また、デカフェコーヒーも黄色信号。カフェインには天然の抗菌作用があるのですが、そのカフェインを除去することで、焙煎後不適切な貯蔵で生じるカビへの抗菌メカニズムが働かなくなるからです。
値段の高いオーガニックコーヒーでも、有害な加工法を取ればカビは発生するし、戸外に放置する天日干しで加工した豆には、鳥のフンなどが付着し、カビが繁殖することも。
カビ毒に冒されていないコーヒーの選び方
カビ毒に冒されていないコーヒーを選ぶポイントは、まず自前の焙煎機があるお店がベスト。そうでなくても、なるべくお店自体が「コーヒーにこだわっている」と謳っているお店がお勧め。また、あちこちの産地のブレンドより、単一の産地の豆にこだわることも肝心。日本では、良質のコーヒーの判断基準として「スペシャリティコーヒー」という名前が用いられることがあるので、そちらを参考にしてみても。
とはいえ、カビ毒はコーヒーだけではなく、小麦やトウモロコシ、ピーナッツ、果物、チョコレート、ワインなどにも含まれているので、コーヒーだけが悪者、というわけではありません。コーヒーには、ガンの予防効果や脳卒中の軽減効果も謳われているので、「飲んではいけない」のではなく、「賢く選んで飲む」ことが重要だということかもしれません。
体調にも不調をきたし、集中力の妨げにもなり、ダイエットも妨害するうえに、ひどくなると病気まで引き起こすカビ毒。あれもダメ、これもダメとネガティブな思考になるよりは、カビ毒のない食べ物を正しく選び、ハイパフォーマンスで毎日を送れる工夫をするのが最良の方法といえるでしょう。
(文/工藤千秋)