市場調査で掴めないニーズをコミュニティで発見する
――コミュニティの参加者は立ち上げから9ヵ月で1万人を超えたそうですね。
大原 当初は1年後に5000人という目標だったので、相当早いペースできています。全ての参加者が介護経験者ではないでしょうが、書き込みの量や内容を見ると、多くの方に真剣に参加していただいていることがわかります。コミュニティ参加者に「『けあのわ』に参加して介護生活に変化はあったか」を尋ねたところ、「変化があった」方が回答者中約7割もいらっしゃり、よい環境をご提供できているとわかりました。
今、たくさんの方に集まっていただいていることは非常にありがたいですが、規模の拡大だけを目指すつもりはありません。エイベック研究所さんのアドバイスをいただきながら、現在のコミュニティの雰囲気を守りつつ、バランス良く増やしていきたいですね。
――2年目に入る頃には、参加者の声や行動を分析する、エイベック研究所独自のコミュニティ・データマイニング(CDM)を実施される予定と聞いています。2年目以降は、どのように運営していきますか。
大原 我々はメーカーなので、間に流通さんを通じて一般の方に商品を販売しています。しかしコミュニティは直接ユーザーの方とつながることができ、それが大きな武器になっています。また、私たちも商品を開発したり改良する時に市場調査を行っていますが、それでも見つけ切れていないニーズや不満点、誤解があります。そうした実際に商品を使っているコミュニティ参加者の方々の口から出る言葉こそ、他の生活者の心にしっかり刺さると思っています。
千葉 開発部隊にも見せて、商品開発などに早く生かしたいですね。我々は当初、高齢者が多いからコミュニティに参加してくれないのではないかと考えていましたが、実際は全く異なり、いい意味で裏切られました。本当の高齢者像を知れるサイトですから、これまでとは違う商品作りもできるのではないかと考えています。
山本 サイトの声を読んでいると、私たちがあと一工夫すれば正しくお客様に伝わるのか、あと二工夫も三工夫も必要なのか、考えさせられることが多々あります。今後も大切に育てていきたいですね。
■問い合わせ先
株式会社エイベック研究所
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