「認知経路」と「購買動機」を聞き出し、自社の強みを分析

 自社の強みに社内リソースを集中させるには、「認知経路」と「購買動機」を調べることが大切です。

 株式会社モリチュウ(景観材、住宅用エクステリア、厨ちゅう房ぼう部品/埼玉県)の森雄児社長は、お客様から認知経路と購買動機を聞き出し、事業構造を変えていきました。

 私は森社長に、お客様訪問をするときは、次の2つを必ず聞くように指導しました。

(1)「当社のことを、どうしてご存じだったのですか」(認知経路)
……広告、インターネット、紹介など、いろいろな経路がありますが、その中で特に多い経路を強化すれば、自社のことを知ってもらえる確率が高くなります。

(2)「どうして当社を選ばれたのですか」(購買動機)
……歴史の長さ、社員の明るさ、サービスの品質の高さなど、自社の強みがわかります。

 これまでのモリチュウは、事業領域が「広くて、浅かった」ため、どの部門の業績も中途半端でした。でも、お客様から「自社の強み」を聞き出した結果、厨房部品の需要が高いことがわかった。

 そこで、事業領域を「狭く、深く」し、社内リソースを絞り込むことで、直近の売上を前年比157%と大きく伸ばしています。

<著者プロフィール>
小山 昇
(Noboru Koyama)
株式会社武蔵野代表取締役社長。1948年山梨県生まれ。東京経済大学を卒業し、日本サービスマーチャンダイザー株式会社(現在の株式会社武蔵野)に入社。一時期、独立して株式会社ベリーを経営していたが、1987年に株式会社武蔵野に復帰。1989年より社長に就任して現在に至る。「大卒は2人だけ、それなりの人材しか集まらなかった落ちこぼれ集団」を毎年増収増益の優良企業に育てる。2001年から同社の経営のしくみを紹介する「経営サポート事業」を展開。現在、600社以上の会員企業を指導しているほか、「実践経営塾」「実践幹部塾」「経営計画書セミナー」など、全国各地で年間240回以上の講演・セミナーを開催。1999年「電子メッセージング協議会会長賞」、2001年度「経済産業大臣賞」、2004年度、経済産業省が推進する「IT経営百選最優秀賞」をそれぞれ受賞。日本で初めて「日本経営品質賞」を2回受賞(2000年度、2010年度)。
2004年からスタートした、3日で108万円の現場研修(=1日36万円の「かばん持ち」)が年々話題となり、現在、70人・1年待ちの人気プログラムとなっている。
『【決定版】朝一番の掃除で、あなたの会社が儲かる!』『朝30分の掃除から儲かる会社に変わる』『強い会社の教科書』(以上、ダイヤモンド社)、『99%の社長が知らない銀行とお金の話』『無担保で16億円借りる小山昇の“実践”銀行交渉術』(以上、あさ出版)、『【増補改訂版】仕事ができる人の心得』(CCCメディアハウス)などベスト&ロングセラー多数。
【ホームページ】
http://www.m-keiei.jp/