今、中国では電気自動車が爆売りされている。2015年11月に、電気乗用車の生産量はすでにその他の国の合計を超え、12月はさらに11月の2倍も増産され、6万3525台生産された。
ただし、妙なことに、中国の電気自動車の生産量とナンバープレートの取得数には倍の差がある。生産された電気自動車には政府の補助金は支払われるが、当の車はどうも市場にはそれほど出回っていないようなのだ。
悪質なメーカーはリース会社と称するダミー企業に電気自動車を売り、そこで車を解体して電池を取りだし、また新しい電気自動車を作って補助金を2重にせしめる、と業界に詳しい人は中国のマスコミに明かす。
2020年までに中国では電気自動車を中心とする新エネルギー自動車をトータル500万台普及しようと計画し、そのためには3900億元(約7.8兆円)の補助金を出す。それを目当てに、補助金のだまし取りが今、大流行している。
他社から買った部品を
粗末なラインで組み立てる
1月16日、『経済観察報』は「新エネルギー自動車業の補助金詐欺者」というタイトルで次のように報じた。
ある電気自動車メーカーは、最近シャシーの注文を受けた。発注元の責任者の名前を見ると、6年前に辞めた同社の労働者だった。
「辞めてから、電気トラックの改装関連の仕事をしていると聞いたが、今度は乗用車のシャシーを購入して、電気自動車に進出したようだ」と電気自動車メーカーの責任者は『経済観察報』記者に明かした。
1台の電気自動車につき、国と地方政府からあわせて10万元の補助金がもらえる。元労働者は車を組み立てる技術があり、最近は買ったシャシーに電池を付けて電気自動車を作り、億元単位の金を手に入れているようだ。