また、艦娘たちは多くが女学生の制服を着ているが、それも重要な要素である。制服は単純にオタクに人気があるアイテムだが、それだけでなく、制服を着ているだけで「身近な存在」に感じられるのだ。かの初音ミクも身近なアイテム「長ネギ」を振ったおかげで親近感が生まれ、人気が爆発する大きな要因となった。

 かたや、プリガーは登場するモチーフがどれも分かり辛いうえ、近未来風の服ばかりで親近感が沸きづらい。せめて、何か日常的に目にする身近なアイテムを身に着けていれば、オタクたちはプリガーに愛着を抱きやすくなったかもしれない。

金儲けの匂いを嗅ぎ取った瞬間に
オタクたちは嫌悪感を抱く

 さて、萌えアニメとのコラボによって、町おこしに成功したケースはいくつかあるが、そこにも成功のヒントは隠されている。最も有名な成功例は、やはり「萌えアニメ町おこしブーム」の先駆けでもある、女子高生の日常系アニメ『らきすた』の舞台となった埼玉県鷲宮町(現・久喜市)だろう。作中に登場した神社のモデルとなった鷲宮神社は、アニメが放送された08年には、参拝客が2倍以上に増加し、コスプレ参拝客などでもおおいに賑わった。

 そして近年では、女子高生たちが戦車で戦うアニメ『ガールズ&パンツァー(通称・ガルパン)』と茨城県大洗町のコラボも大きな話題を呼んだ。毎年秋に開催される「大洗あんこう祭り」には、例年2~3万人の来場客が訪れるが、12年、アニメが放映中に開催された第16回では6万5000人の来場を記録。さらに年々来場客は増えていき、昨年は劇場版公開の影響もあって、過去最大の11万人にまで膨れ上がっている。

 ほかには、青春群像劇『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』の舞台・埼玉県秩父市でも、アニメの放送から半年間で、3.2億円もの経済効果が生まれたという。こういった町おこしの成功には、ある共通点がある。それは「町側がアニメのヒットを見込んでいなかった」ことだ。一見すると単純なようだが、欲に目がくらむと、そんな単純なことさえ見えなくなり足元をすくわれる。

 その失敗例で有名なものに、千葉県鴨川市を舞台にしたロボットアニメ『輪廻のラグランジェ』がある。同市ではアニメの放映前から町おこしプロジェクトとして活動を始め、その気合の入れようはNHKの報道番組で「自治体によるタイアップ事例」の代表として放送されたほどだ。ところが、アニメはヒットどころか爆死。DVDの売り上げも「採算ライン」と呼ばれる3000枚を下回ってしまった。

 これは、作品そのものの不完全燃焼ぶりに加え、オタクたちが「金儲けの匂いを感じ取り、嫌悪感を抱いた」からだ。純粋にアニメを楽しみたいだけなのに、こうも「ビジネス臭」を出されては興が醒める。しかもこのアニメ、各話のタイトルに「鴨川」という文字を入れており、このゴリ押しともいえる「聖地アピール」ぶりには、多くのオタクが辟易してしまった。「取らぬ狸の皮算用」には、くれぐれも注意したいところだ。