世界の政治経済を読み解く<br />エイプリルフールのジョークベン・バーナンキ前米連邦準備制度理事会(FRB)議長が日本のデフレ対策として、「ヘリコプターからお札をばらまけばいい」と発言したことは有名だ Photo:(c)123RF

 エイプリルフールのジョークには、その年の世相が顕著に表れる。4月1日、英国では多くのメディアが、英国(Britain)の欧州連合(EU)離脱(Exit)を意味する「Brexit」をネタにした虚偽の記事を出した。

 英紙「インディペンデント」は、英政府からの“流出メモ”を掲載。英国がEUから離脱したら、スコットランドとウェールズは新連盟を結成し、英政府から離脱する計画だという。メモのあちこちが黒く塗りつぶされていて凝った演出がなされている。「分裂すれば経済は長期停滞に陥る」とのイングランド銀行(中央銀行)の沈痛なコメントも載っている。

 スコットランドとウェールズは地続きではないため、グレートブリテン島の西側を長大な橋かトンネルで結ぶ予定だという。読者はこの辺りで「なんだ、エイプリルフールか」と気付くことになる。

 また、米国での最近の世論調査では、もし共和党のドナルド・トランプ候補が大統領選挙で勝ったら、19%がカナダに移住すると回答していた。そこで、インターネットで保険を扱うEsuranceは「選挙保険」の販売を4月1日から開始したと発表した。