熟年再婚で始まった夢の海外移住生活は妻の離婚宣言で一気に暗転(写真はイメージです)

 青い空と海、そして白い砂浜、綺麗な空気……。

「俺も残りの余生は自然に囲まれて暮らしたいなぁ」

 誰しもこんなふうに「海外移住」を夢見るのですが、今回紹介する丸山功さん(78歳)もその1人。功さんは本当に海外移住(インドネシア)を実現したのですが、それだけではありません。68歳にして妻と結婚(再婚)し、2人で海外へ移り住み、今年で10年目。傍から見れば、2人はまるで夫婦の老後の理想を実現したかのように映ります。ところが……。

「もう、こっちの生活(インドネシア)に飽きたわ。そろそろ日本に帰りたいの。でも、あなたには感謝しているわ」

 ある日、突然、妻がこのように言い出しました。


◆今回の離婚のトラブル/再婚同士で結婚し、10年前にインドネシアに移住した熟年夫婦。日本に一時帰国した妻がいきなり離婚を切り出してきた。

<家族構成と登場人物の属性(すべて仮名。年齢は現在)>
夫:丸山功(78歳)→年金生活 ☆今回の相談者
妻:丸山信子(72歳)→年金生活

・夫婦の状況とトラブルの経緯
60代で再婚同士で結婚し、インドネシアのコテージ暮らしをしていた熟年夫婦。景気の悪化で不動産や預金の価値が暴落。80歳手前で将来に不安を感じる夫に、追い打ちをかけるように妻が三行半を突き付け、さらに10年の間に損をした妻の財産の補填も要求してきた。


インドネシアでコテージ暮らしを始めて10年
一時帰国した妻から突然の離婚宣言

 功さんと妻はどちらも再婚同士。功さんは42歳のときに、妻は48歳のときに離婚を経験しており、功さんは前妻との間に2人の娘が、妻は前夫との間に1人の息子がおり、どちらも日本で暮らしているそうです。

「今は今のことだけ考えよう。とにかく海外生活をエンジョイしよう!」

 当時、独身だった功さんは妻と知り合って、そんな感じで意気投合。勢いのまま結婚し、海外移住を決断。もし大病を患って身体が不自由になったら帰国するかもしれないけれど、とりあえずは残された人生を一緒に楽しもう、後のことはそれから考えても遅くはないだろうという発想だったようです。